しかし館蔵品の中心は二代目の勝巳さんが収集したものが圧倒的に多く、仕事柄色彩を重視するカ
ラー印刷のイメージを考えて買ったといわれている。
一九八〇年頃すでに現代美術五百点を収集して
いる。レンブラントの肖像画「広つば帽を被った男」を所蔵しているが、これも一九八七年に勝巳さ
んが購入した。勝巳さんは父の喜十郎さんと共に一九三七年から会社の経営に当たり、戦後はインキ
メーカーから総合化学メーカーにと事業を広げてきた人でもある。
美術館の設計に当った芸術院会員の海老原一郎さんとは、東京の府立三中時代の同級生という間柄。
大きさも色も技法もそれぞれに違う作品に、最適な空間と最も美しく見せる照明をと考えて、人工光、
自然光を巧みに使う工夫など、コレクターと設計者の幸福な出会いが随所にみられる。
二十世紀絵画のボナール、マチス、ピカソなどは三代目の収集によるもの。